同じカステラという名前でも、台湾カステラと日本のカステラとはいったい何が違うのでしょうか?
また中国風蒸しカステラとも言われるマーラーカオとの違いは何でしょうか?
この記事では、台湾カステラと日本のカステラの違いについて、発祥から材料、作り方や食感などの違いを比べたり、さらにマーラーカオとの違いについて調査した結果をご紹介したいと思います。
台湾カステラと日本のカステラ、またマーラーカオとの違いは何か?
発祥や材料について、それぞれの国のカステラの違いに興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
台湾カステラと日本のカステラの違い①発祥は?
まずは、台湾カステラと日本のカステラの発祥の違いを見ていきたいと思います。
どちらもカステラと名前がついていますが、台湾カステラの発祥は台湾です。
台湾カステラは、台湾北部にある淡水(ダンシュイ)の名物のお菓子でした。
一方、日本のカステラで有名な長崎カステラの発祥をたどっていくと、日本のカステラは
大航海時代にポルトガル人によってもたらされたとする説が有名です。
長崎がポルトガルと貿易をし始めた頃(16世紀頃)、スペインで古くから栄えたカスティラ王国のパンを長崎の人達に紹介され、長崎で作り続けられるようになりました。
そして日本のカステラは、やがて長崎の銘菓として独自の進化を遂げていきました。
このように同じカステラと名前がついていても、発祥は全然違いますね。
では次に、台湾カステラと日本のカステラの材料の違いを見ていきましょう。
台湾カステラと日本のカステラの違い②材料は?
台湾カステラと日本のカステラの発祥は全く違う地域でしたが、それぞれどのような材料を使って作っているのでしょうか?
基本的なレシピから台湾カステラと日本のカステラの材料の違いを見てみましょう。
【台湾カステラの材料】
- 卵
- 薄力粉
- 砂糖
- 牛乳
- サラダ油
【日本のカステラの材料】
- 卵
- 強力粉
- 砂糖
- ハチミツまたは水あめ
- ざらめ
台湾カステラと日本のカステラの材料から見る違い(1)小麦粉の種類
小麦粉の種類として台湾カステラでは薄力粉を使い、日本のカステラには強力粉を使用しています。
この薄力粉と強力粉の違いによって生地の硬さや食感に違いが生じます。
薄力粉:グルテンの含有量が比較的少な目(7%前後)で、粘りができにくく、水分を加えることでふんわりとした生地になるという特徴を持ちます。
強力粉:小麦粉の中で一番グルテン含有量が多く(12%前後)、粘りや弾力性があり、こねるほど生地の伸びがよくなり、もちもちっとした食感になります。
小麦粉の違いによって、台湾カステラと日本のカステラの生地の食感に違いがでているんですね。
台湾カステラと日本のカステラの材料から見る違い(2)日本のカステラはハチミツを入れる
日本のカステラではハチミツを入れるのですが、このハチミツを使うことで、生地がしっとりとした感じになります。
また、水あめでも代用できますが、水あめではあっさりとした甘さになり、ハチミツの方が、ハチミツ特有のコクや風味が加わります。
台湾カステラではこの日本のカステラ特有のしっとりとした感じはあまりないですよね。
このように台湾カステラと日本のカステラでは使う材料も違いますね。
材料の違いで食感がすでに違ってきますが、作り方もどのように違うのか参考にご紹介しておきます。
台湾カステラと日本のカステラの違い③作り方は?
台湾カステラと日本のカステラでは使う材料が違いますが、その材料を活かしたそれぞれの作り方にも特徴があります。
特徴的な部分を簡単にご紹介しておきますね。
台湾カステラと日本のカステラの作り方から見る違い(1)卵の使い方
台湾カステラは生地を作る時に、卵を卵黄と卵白に分けます。
温めたサラダ油に薄力粉を加えて混ぜ合わせ、その上に温めた牛乳、卵黄を加えて混ぜ合わせて卵黄生地を作ります。
そして、別に卵白と砂糖でメレンゲを作ってから卵黄生地と混ぜ合わせて台湾カステラの生地が出来上がります。
このメレンゲを作っていれるおかげでふわふわとふくらんが台湾カステラが出来上がるんですね。
一方、日本のカステラでは、卵は卵黄と卵白に分けずそのまま入れて使います。
日本のカステラの作り方は、卵に砂糖を入れ泡立て器で混ぜた後、ハチミツを入れて混ぜ、その後強力粉を加えて混ぜ合わせ生地を完成させます。
日本のカステラにはふわふわっとしたふくらみ感よりもしっとり感がでるのはこういう点でも違うみたいですね。
台湾カステラと日本のカステラの作り方から見る違い(2)焼き方
台湾カステラと日本のカステラの生地を作った後は、焼き方も違います。
台湾カステラは生地を蒸し焼きにしますが、日本のカステラはオーブンで焼き上げます。
台湾カステラは、出来上がった生地を型に流し込んだ後、オーブンの天板にその生地の入った型をのせて型が水に浸るようにしてからオーブンで蒸し焼きにします。
一方、日本のカステラは、生地を型に流し込んだ後は、そのままオーブンで焼き上げて完成です。
このように、台湾カステラと日本のカステラは生地の焼き方にも違いがあります。
このように材料や作り方まで違う台湾カステラと日本のカステラですが、食感もまた違います。
2つの食感についてもまとめてみました。
台湾カステラと日本のカステラの違い④食感は?
材料や作り方が違う台湾カステラと日本のカステラは食感も大きく違います。
特に台湾カステラの食感は、焼き立てと常温、冷やした時の食感が変わる、という特徴もあるんですよね。
台湾カステラは焼き立てではふわふわっとした食感がありますが、粗熱が取れた常温では、しっとりとぷるっとした食感を味わえます。さらに冷蔵庫で冷やすと口の中で溶けるような食感へと変わっていきます。
その点、日本カステラは、ふわふわではなく、しっとり、またどっしりとした濃厚な食感があります。
さらにザラメがついている日本のカステラはカリカリっとしたザラメの甘い食感も楽しめますよね。これは台湾カステラにはない美味しさですね。
台湾カステラと日本のカステラの違いは、発祥から材料、作り方や食感まで様々な点での違いがあることが分かりましたね。
それでは、最後に中国風のカステラ、マーラーカオとの違いについてもご紹介しておきます。
台湾カステラとマーラーカオの違いは何?
それでは、中国におけるカステラのマーラーカオについて見ていきましょう。
マーラーカオとは?その特徴は?
「中国風蒸しカステラ」、「中華風蒸しパン」などとも呼ばれているマーラーカオ(馬拉糕)は江戸時代に中国から日本に伝わってきたそうです。
マーラーカオの名前の由来は「マーラー」はマレーシアを、「カオ」はケーキやカステラのことを意味しており、マレーシアから伝わってきたお菓子であるという説や、黒糖や醤油の色がマレーシア人に似ているから、という説などもあるようです。
マーラーカオの見た目がふんわりとしており、日本のカステラよりも台湾カステラと見た目は似ていますよね。
マーラーカオの基本的な材料
卵、砂糖、ハチミツ、牛乳、ごま油、しょうゆ、薄力粉、ベーキングパウダー、重曹
マーラーカオでは、日本のカステラとは違い、薄力粉を使用しますが、全卵を使用したりハチミツを入れるという点では同じです。
またマーラーカオでは、しょうゆやベーキングパウダー、重曹を使っている点が違っていますよね。
そして、マーラーカオは蒸し器を使って蒸します。
マーラーカオはふわふわとし見た目をしていますが、食感はしっとり、むちっとした感じなので、台湾カステラと日本のカステラの二つの特徴を合わせ持っていますね。
台湾カステラとマーラーカオの違いは?
マーラーカオもカステラという名前ではありますが、蒸しパンに近い感じもしますね。
台湾カステラと一見ふわふわした見た目で同じように見えるかもしれませんが、台湾カステラとマーラーカオは使う材料から作り方も違い、食感や味も違います。
また、日本のカステラとマーラーカオも材料や作り方、食感や味も違いましたよね。
それぞれの国のカステラは三者三様の味わいがあるといった感じですね。
個人的には台湾カステラやマーラーカオはふわふわと軽くいくらでも食べてしまえる気軽なお菓子ですが、日本のカステラはどっしりと重厚感があり、ちょっと高級なお菓子という感じでお上品な感じがします。
ただ、それぞれ美味しいのは間違いないですね。
台湾カステラと日本のカステラの違いは何? マーラーカオとの違いも調査!のまとめ
台湾カステラと日本のカステラ、またマーラーカオとの違いを調査してみました。
カステラという名前がついていますが、この3つは材料から違いましたね。そして作り方も変わるため、台湾カステラと日本のカステラとマーラーカオは食感や味も違います。
見た目は台湾カステラとマーラーカオは似ていますが、食感はマーラーカオの方がしっとりとむちっとしています。
また、台湾カステラと日本のカステラは同じカステラと言っても、ふわふわ食感としっとりどっしりした食感の違い、見た目も違いますよね。
それぞれ違いのあるカステラ、あなたはどれがお好みでしょうか?