北海道で登山やキャンプで山に入る時にヒグマに対するマニュアルは熟知していますか?またヒグマ対策グッズは持っていますか?
クマ牧場で見るヒグマはすごく可愛いんですけど、実際野生のヒグマは可愛いものではなく大きくて恐ろしいことが多いんですよね。
北海道で安全に山でのアクティビティを楽しむために、ヒグマ対策について調査してみました。
この記事では、ヒグマに対する知識やヒグマに出会わないためのマニュアル、出会った時の対策、ヒグマ対策におすすめのグッズ5つをご紹介しますね。
※野生のヒグマ対策で「これをすれば絶対大丈夫」というものは存在しません!
必要最低限の知識として参考にしてくださいね。
『ヒグマ対策のマニュアル』:ヒグマの大きさや特徴は?
北海道の山で登山やキャンプなどを堪能しようと思ったらしっかりとヒグマ対策をする必要がありますよ。
日本ではヒグマは北海道にしか生息しないため、道外の人からするとヒグマは馴染みがありませんよね?
しかし、ヒグマは北海道全域に生息し、最近では道内の市街地までもヒグマの目撃情報が相次いでいます。
そんな中、何もヒグマ対策をせず山に入るのは危険がいっぱいですよ!
本州に生息するツキノワグマとも大きさや性格が違うところもあるので、まずはヒグマについて知っておきましょう!
ヒグマ対策マニュアル①ヒグマとツキノワグマの大きさの違いは?
ヒグマ 大きさの目安
オス 150~200cm 体重100~250kg
メス 140~170cm 体重60~150kg
ツキノワグマ 大きさの目安
オス 120~150cm 体重40~100kg
メス 100~130cm 体重30~60kg
なんとヒグマのメスでもツキノワグマのオスより大きい場合があるくらい、ヒグマの方が大きくて重量もあるんですよね。
またヒグマはツキノワグマよりも肩部の筋肉が盛り上がっており、外見上も強そうに見えますよ。
体重は目安で記載していますが、季節によって変動するため秋の冬眠に備えて脂肪を蓄積した時期は体重がもっと多くなります。
重い場合、ヒグマのオスでは400kg、メスでは200kgにもなるとも言われているので、この時期のヒグマは出会いたくないですね。
ヒグマ対策マニュアル②ヒグマの食事について
ヒグマの食事は植物が中心の雑食性です。
野生動物を襲って食べるということよりも、木の実やアリ科などの昆虫、イチゴやブドウなどの果物などをよく食べるようですね。
ただ、魚や動物の死体も食べるので、絶対に人を襲わないという保証はありません。
また、人間の食べ物は匂いも強く、興味深々で寄って来るので注意が必要ですよ。
ヒグマは山の餌が不足な時期は、人間の農作物を荒らしに来たり、人間の出したごみをあさったりすることもあります。
また、人間の食べ物を美味しいと覚えてしまうと、人間を襲い、食べ物を奪うこともできるほど賢い動物ですよ。
ちなみに、熊と出会った時に「死んだふり」をすると良いという迷信がありますが、ヒグマは死んだカモシカの肉なども食べるので、死んだふりは効果がないとも言われています。
ヒグマ対策マニュアル③ヒグマの特徴は?
ヒグマの特性として、優れた聴覚・嗅覚があります。
特に嗅覚は犬の7~8倍は優れており、土中深く埋めた馬牛の死骸を探り当てることもできると言われています。
なので、山で食べ物の匂いを発したり、ゴミをその場に捨てるなどヒグマをおびき寄せる行為に繋がってしまいますよ。
また、ヒグマの生息する山に近い町ではゴミの始末がおろそかだと、ヒグマにごみはあさられていることがあります。
ヒグマはとっても賢くて器用なので、ゴミ置き場の蓋を開け中の食べ物をあさることができてしまうんですよね。
また、大きくてするどい爪や歯を持ち、時速は40~50kmで走ると言われています。
巨体なヒグマ以外は木登りが上手で、さらに泳ぐのも上手なんですよね。
ヒグマと出会ったらどうやって逃げるのか困りますね・・・
基本的に警戒心が強い動物なので、ヒグマから人には近寄りませんが、子グマを守る母グマなどはとっても狂暴で恐ろしいです。
間違っても子グマと母グマの間に入ってはいけませんよ!無条件に襲われます・・・
また、ヒグマの習性として、とっても執着心が強いと言われています。
万が一自分の荷物が奪われた場合、すでにヒグマの所有物になるので取り返すことはせずに諦めた方が身のためですよ。
このようにヒグマはツキノワグマよりも大きく、また知能も高いので出会ってしまうと大変だということが分かりますね。
次はそんなヒグマと出会わない方法をご紹介しますね。
『ヒグマ対策のマニュアル』:ヒグマと出会わない方法は?
ヒグマは基本的には自分から人には近寄りません。
しかし、人の持っている食べ物などには興味深々な場合がありますよね。
人間ができるヒグマ対策はまず、ヒグマと出会わないことが大切です。
ではこれらのヒグマと出会わない方法を解説していきますね。
1.ヒグマの出没情報を確認しておく
まずヒグマと出会わない方法では、ヒグマの出没情報、目撃情報を確認することが大切です。
事前にしっかりと情報収集して、最近ヒグマが出没していたり、目撃されている場所には近寄らない、山などのアクティビティも控えることをおすすめしますよ。
2.熊除けの鈴など音の出るものを携帯する
元々ヒグマは警戒心が強く、人には近寄りません。
まずは音などで自分達の存在をヒグマにアピールして近寄らせないようにしておきましょう。
熊よけの鈴の他、笛(ホイッスル)やラジオなどの音を利用することもできます。
爆竹や花火を持っている人いますが、このような音はヒグマにとっては逆に刺激になる場合もあるので、使う時は充分気をつけてくださいね。
3.集団で行動する
特に山は単独行動よりも複数人の集団で行動した方が安全です。
できるだけお互い近い距離を保ちながら行動するようにしましょう。
4.早朝・夕方・夜など暗い時間に行動しない
早朝・夕方・夜などの暗い時間帯の方がヒグマは活発になります。
私たち人間はヒグマの活発な時間帯をさけて行動するようにしたほうが安全ですよ。
5.食べ物の匂いに気を付ける
自分自身から食べ物の匂いを発することは危険な場合が多いです。
特に飲酒した状態で山に入るのは危険ですよ。
また山の中でのバーベキューなどもヒグマをおびき寄せる危険があるので、しっかりとヒグマの出没状況を確認してくださいね。
またヒグマに人間の食べ物の匂いを覚えさせないために、ゴミの管理もしっかりと、封をして持ち帰りましょう!
6.ヒグマ足跡や糞、爪痕を見つけたらすぐに引き返す
山の中でヒグマの足跡や糞、また爪痕に遭遇することがあるかもしれませんが、もし見かけたらすぐに引き返しましょう。
●ヒグマの足跡:ヒグマの足跡からはそのヒグマの大きさが分かるくらい手がかりになる痕跡です。他の動物よりも大きい足跡を見つけたら注意しましょう。
●ヒグマの糞:両手いっぱいの泥のような糞で、クマは消化能力があまり高くないため食べものがそのまま糞として出ていることが多いようです。
春の草を食べていれば濃い緑色の草の匂いがしたり、夏はアリやセミなどの体の一部が見られたり、秋はヤマブドウやコクワを食べたそのままの実が残っていると言われています。
タヌキの糞も大量に落ちていることがありますが、タヌキは「ため糞」として、複数のタヌキが同じ場所でフンをするため、下の糞は古く上の糞は新しいという違いがありますよ。
●ヒグマの爪痕:樹皮がつるっとしているトドマツに爪痕は見られることが多いと言われています。
3~4本くらいの線が縦や斜めに平行についていたらヒグマの爪痕の可能性が高いです。
樹皮を剥がしている場合も、剥がされたへりに爪痕が確認できる場合もあるようですね。
このようなヒグマの痕跡を見つけたら、すぐに引き返すようにしましょうね!
ヒグマと出会わない対策をとっていても、お互いにふいに出くわしてしまう場面もあるかと思います。
万が一、ヒグマと出会ってしまった時はどう対処すればいいのでしょうか?
『ヒグマ対策のマニュアル』:ヒグマと出会った時の対応は?
ヒグマと出会わないことが大切なんですが、万が一ヒグマと出会ってしまった時はどうすればいいのか?その対処法をご紹介していきますね。
ではヒグマと出会った時の対応について解説していきますね。
1.絶対に走って逃げない
ヒグマと出会った時に大切なことは、パニックにならずに落ち着いて行動することです。
特に走って背を向けて逃げるとヒグマは本能的に追いかけてきます。
また、出会ってから大声をあげたり、石を投げて刺激を与えることはヒグマが興奮し反対に危険ですよ。
ヒグマが気づいていない場合は、ヒグマの方を見ながら、ゆっくりと後ずさりをして、何もしてこなければその場から立ち去りましょう。
2.ヒグマよりも大きく見せる
ヒグマがこちらに気づいている時は、ザックなどを利用し自分達がヒグマよりも大きい存在だとアピールすることも有効です。
この時も大きな声ではなく、穏やかに話しかけるようにしながら落ち着いて行動するように心がけます。
そして、ヒグマがまだ襲ってこないうちは物を投げるなど刺激となるような行為は控えておきましょう。
もし、ヒグマが追いかけてきた場合などは、自分の持っているものを投げ与えつつ逃げるようにしましょう。
3.クマ撃退スプレーを使用する
万が一ヒグマが襲ってきた場合に備え、クマ撃退スプレーを使うことも意識しておきましょう。
ヒグマがこちらに気づいて近づいてくるような状況になれば、すぐにクマ撃退スプレーの噴出準備をしておきます。
ただ、クマ撃退スプレーが効かない場合もあるので、その他に攻撃できるような棒などの武器を他の人は手にもって置く必要もあります。
4.最悪の場合は防御姿勢をとる
ヒグマが襲い掛かってきて、クマ撃退スプレーも効かない(武器もない場合)は、自分の命を守るための防御姿勢を取りましょう。
防御姿勢は、うつ伏せになり顔と腹部をまずは守りますよ。そして、首の後ろに両手を回して首も守ります。
背中にはそのままザックを背負っていると背中も守れますし、ヒグマに転がされた場合も元の姿勢に戻ることができます。
ヒグマの食事でも述べましたが、ヒグマに死んだふりはききませんので、しっかりと防御姿勢をとり、自分の命を守ってくださいね。
※知床財団のヒグマ対処法を参考にしています。
詳しく知りたい方はこちらのページからどうぞ
これをすれば絶対に助かるという対処法はありませんが、知っていると知らないでは生存確率に大きな違いがでますよ。
ヒグマと遭遇して無事に帰れることもあるのですが、やはりできればヒグマとは遭遇したくないですね。
山に入る時に持っていると安心・安全なヒグマ対策グッズを最後にご紹介しておきますね。
『ヒグマ対策のマニュアル』:おすすめのヒグマ対策グッズ5選!
最後にヒグマに出会わない対策、ヒグマと出会ってしまった時の対策に役立つグッズをご紹介しておきますね。
ヒグマ対策グッズ①クマ除けの鈴
まずは自分の存在をアピールすることが大切ですよね。しっかりと存在をアピールする大きな音、遠くまで聞こえる鈴を選びましょう。
ヒグマ対策グッズ②ラジオ
複数いればしゃべりながらで存在をアピールできますが、ラジオをつけていることもアピールになりますよね。
また、ラジオは情報収集にも役に立ちますよ。
ヒグマ対策グッズ③獣除けの蚊取り線香
クマや獣よけとして売られている蚊取り線香です。
匂いがきついので屋外での使用で、特にキャンプなどテントを張った時の屋外に使用するといいものです。
レビューでは山の中のキャンプ場で熊が出る場所で使用したところ襲われなかったという情報もありました。
ただ、クマが出ると事前に分かっている場合は近寄らないことが大事ですよ。
もし家の周囲にヒグマの目撃情報などが出ている場合は、家庭菜園や農作物をヒグマから守るためには良いかもしれませんね。
ヒグマ対策グッズ④熊撃退スプレー
クマ撃退スプレーには種類があるのですが、ヒグマ対策であればヒグマ用の撃退スプレーが必要ですよ。
ヒグマ対策グッズとして、ツキノワグマよりも強力なスプレーになっています。
なので、人に対して使うのは危険なので、ご噴射や風向きなども注意してくださいね。
実際に私もヒグマ用の撃退スプレーを持っていますが、ありがたいことにまだ使ったことはありません。
クマ撃退スプレーは性能よりも、「これを持っているだけでもかなり心強い」というのがメリットかと思います!
ヒグマ対策グッズ⑤サバイバルナイフ
極力ヒグマ対策として使用したくありませんが、本当にいざという時のためにですね。
ヒグマと遭遇し、近くに棒など武器になるものがない場合や戦うという選択肢しか残されていない場合に利用しますが、人間の力では基本的には敵わないので過信しないでくださいね。
サバイバルナイフは熊撃退用としてだけでなく、他にもキャンプなどでは利用価値があるので、山に入る時に1本は持っていると使えますよ。
これらのヒグマ対策グッズも持っていれば必ず助かる、というものではありません。
まずは必要最低限の身を守るグッズとして参考にしてくださいね。
ヒグマの大きさや特徴は?ヒグマ対策グッズのおすすめ5選も紹介!のまとめ
この記事では、「ヒグマ対策のマニュアル」として、ヒグマに対する知識やヒグマに出会わないための方法や出会った時の対策、またヒグマ対策におすすめのグッズ5つをご紹介しました。
野生のヒグマ相手に「これをすれば絶対助かる」というマニュアルはありませんが、事前にヒグマについて知り、予防することはできますよね。
まずはヒグマに出会わないために情報収集、自分の存在アピールが大事ですよ。
そしてヒグマと出会ってしまった時は、落ち着いてヒグマを刺激しないように行動をするようにしてくださいね。
また記事内では、ヒグマ対策グッズとしておすすめの5つのアイテムをご紹介しました。
持っていれば必ず助かるとは言い切れませんが、持っていないよりもヒグマに襲われる可能性は低くできますよね。
北海道でアウトドアを楽しむ場合、ヒグマを軽視せず、しっかりと自分の身を守ってくださいね。